![]() |
ダッチロール |
大西洋上のポルトガル領マデイラ島は、適度な降雨量と気温のため、良質なマデイラ・ワインを産する。山岳が大部分で、平野部がわずかな孤島である。フンシャル空港にはけわしい山腹をけずって、ジェット機がかろうじて離着陸できる短い滑走路が一本あるだけだった。
着陸のときはわからなかったが、離陸のときはスリルであった。短い滑走路をギリギリに長く使おうと>主翼の車輪が滑走路の末端にきたところで、180度、ターンした。当然機体の後部 2/3は滑走路の外にはみ出している。最後部に座っていたので、外を見ると滑走路の末端から先は断崖になっていて、座席の真下は数百メートルの空間でその下では白い波涛が逆巻いていた。エンジンがランアップをはじめると、機体はユサユサとゆれるのであった。 歓楽街の狭い道路の両側には、バー、ストリップ酒場、マッサージハウス、飾り窓の店がならんでいる。酔客はその通りを右に行ったり、左に行ったりフラフラ徘徊している。オランダでも、この現象は同じなのだろう。振り子のように、左右に振れながら進むことを<ダッチロール>という。 日本では、若い女性も、マスコミも平気で<ダッチロール>と云う。本来、上品ではない行動の表現であるせいか、西欧人はこの言葉を人前であまり口にしない。 |
![]() |
![]() |